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2010年3月 3日 (水)

私の独立開業日記 その1 

突然の独立

今から12年も前の平成9年12月。
私はようやく税理士試験に合格しました。
長くつらかった受験生時代のお話はそのうち「夢をかなえるゼイ」で
ご披露しようと思っています。

税理士受験生なら誰でもあこがれる官報合格です。その合格を目指して、
受験勉強に必死に取り組む訳ですが、その合格の暁にはどうするかは
意外と考えていないものです。
「合格さえすればバラ色の人生が待っている。」
多くの税理士受験生がそう信じ込んで、ひたすらあの無味乾燥の
計算練習と、つらい理論暗記に取り組むのです。
かく言う私の場合もそうでした・・・。

でもあの時は、官報に自分の名を見つけ、ようやく5年もの苦しい受験生活に
ピリオドを打つことが出来た、もうその喜びだけで一杯でした。

その発表の3日後、まだ合格という美酒に酔いしれていた私に
当時勤務していた会計事務所の先生がこう冷たく言い放ちました。
一生忘れられない言葉です。

「合格したのだからもう一人前だ。今月一杯で辞めてくれないか。」

たったその一言で私の人生は大きく動いたのです。
本当に小さな会計事務所でした。
職員は5名ほど。でも受験勉強しながらも4年間必死になって
仕事しました。
老齢の先生は、勉強している男性職員は私しかいなかったせいか
「早く受かって私を楽にさせてくれ。後は君に任せるからな。」
口癖のように言っていました。
業界の実情を知らない「うぶな」私は、その言葉を信じ込んで、
残業代も出ない薄給で、休日出勤もいとわず人一倍仕事したと思います。

「いきなりそれはないだろう!」
正直に思いました。
今だから言えますが、あの時は若く、まだまだ血気盛んでしたので、
本当に裁判でも起こそうかと思ったくらいです。
しかし今こうして冷静に振返ってみればそれがきっかけで独立できた訳で、
小さな事務所で何でも任され、あらゆることに必死に取りくんだおかげで
貴重な経験も積むことができた・・・
それはそれで良かったのかと今では思えるようになりました・・・。

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