お好み焼きの思い出
税理士事務所を開業して初めてできたお客さんは
お好み焼き屋さんでした。
知り合いの弁護士から、開業したばかりのお好み焼き屋さんを
紹介していただきました。
事務所を開業したのが3月1日。15日の申告期限まで間に合わせようと
必死になって「オタフクソースの匂いのする」領収書を整理し、
入力したのを思い出します。
関西風のお好み焼きというのは、関東と違うのですね。
キャベツと焼きそばが入るのです。
最初は面白いように売上が上がりました。
こちらも嬉しくて、一生懸命お手伝いしました。
従業員の採用、社会保険の加入、そして法人なり・・・。
でもある時期から急に売れなくなりました。
まさに「水商売」というのはこういうことでしょうか。
あせった経営者は借金を繰り返してなんとか乗り切ろうとしていました。
その後数年試行錯誤しながら、なんとか業績回復をしようとしていました。
でも一度落ち込んだ売上を回復させるのは並大抵の努力ではダメです。
ただどうも関西風というのは関東人に受け入れない面も
あるのですね。そのあたり本当に難しいところです。
正直店舗の立地もよくなかった・・・。
顧問税理士として、あるとき思い切って進言しました。
「店を閉め、会社をたたんで出直しましょう!」
会社を閉鎖するということは、顧問契約を解除することにつながります。
事務所の経営的には細々とでも続けていただきたい。
でもこのまま続けても借金は脹らんでどうにもならなくなってしまうと
判断しました。
無店舗でもデパートでの催事場での仕事があることも知っており、
生き残る術はそれしかない、そう思っていました。
でも開業以来のお客さまです。本当に私自身思い入れもあって、
お別れは非常につらいものでした・・・。
5年位前のことです。
その判断が正しかったかどうか。
なんとか立ち直っていただいたか。
実はずっと気になっていました。
でもこの週末に、その方とあるデパートの催事場でばったり会いました。
今でも元気に、持ち帰り専門のお好み焼屋を続けていました。
ひとしきり昔話をして、そのお好み焼きを買って帰って食べました。
写真はそのお好み焼きです。
あのときのままの味でした。
そのお好み焼き食べながら、涙が出るくらい嬉しかったですね。
確定申告は人生そのものです・・・・。
(新宿シティマラソンまであと6日)
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