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2008年12月 2日 (火)

かばんの真実 その49

思いのほか、マスコミの報道もすぐ終わってしまいましたね。
あまり一澤帆布のお話はニュースバリューがないのでしょうか・・・。
再三申し上げている通り、これで遺言書を巡る事業承継を勉強するには
この事件は格好の題材になりましたね。
裁判所でも意見が分かれるくらいですから、
これは日本の司法の最先端!?を行く事例なのでしょうか。

やはり一澤帆布事件のことかよく分からない方も多いでしょうから、
予定通り「第一の遺言書」からご説明していきましょう。

平成9年12月12日。「第一の遺言書」が作成されます。
内容は、三代目信夫氏保有の株式(発行済株式のうち6万2000株)のうち
67%を社長(当時)の三男信三郎夫妻に、残りの33%を四男喜久夫氏に、
銀行預金のうち75%を長男信太郎氏に残り25%を四男喜久夫氏に、
自宅を四男喜久夫氏に相続させるという内容でした。

これで生前贈与した分を合わせ、結果的には信三郎夫妻に
約70%を承継させることができます。

70%というのは重要な数字です。
商法で会社の重要な事項(定款の変更・取締役の解任など)を
決定するのには、特別決議といって3分の2以上の議決権が
必要ですからね。
つまり、これで安心して社長業に邁進することができます。

なんと巻紙で毛筆で書かれていたそうです。

1202


弁護士に預けられていた状況からすれば、
弁護士が作成指導して、多分弁護士が遺言執行人となる予定では
なかったでしょうか。
これで万事が「メデタシ!めでたし!
となるはずでした・・・。

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