かばんの真実 その32
さあ、ここで本題の株式のお話なのですが、
これもお話を創業時まで戻しますが、
昭和36年当時から、多分三代目信夫氏が全株持っていたはずです。
では、ここで相続が仮に起こったとしたらどうなるでしょう。
まず基本的な相続の法律的なお話からご説明していきましょう。
税金の計算というお話は最後にしましょう。
(難しいので多分やらないと思います!?)
取りあえずこの株式の行方が重要なのです。
経営しているのは四代目信三郎氏ですが、実は法律により
三代目がお持ちの自社株全株は「法定相続」されてしまいます。
このあたり、以前ご説明したように、戦前は「家督相続」という制度が
あったのですが、やはり戦後民主主義の発展と共に、
公平な制度に変更されてしまっているのですね。
経営している社長さんに全株引き継がれるわけではないのです。
つまり、民法の法定相続により、公平な相続分が決まっています。
ところで「法定相続」とは難しい民法の用語を出して恐縮です。
一応法律で決まっているのです。
でも難しく考えなくてもよいです。
「平等に」しかも「公平に」分けられるということなのです。
どういうことかというと、配偶者にまず2分の1が、
その残りを兄弟間に均等に相続されることになります。
ということは、兄弟3人ですので、社長である信三郎氏には、
残りの2分の1の3分の1、つまり
6分の1しか相続権がないということになります。
これではマズイということで、通常の相続対策として、
自社株の生前贈与ということが行われるのです。
もしくは、「あとで大問題に発展する」遺言書の作成なのです・・・。
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