かばんの真実 その23
一澤帆布の経営哲学は非常に参考になるものの、
一応専門家として、ここらで大変僭越ながら「突っ込み」も入れておきましょう。
このような職人気質というか、売上や利益にまったく無頓着な経営者の方には
仕事柄よくお会いします。
例えば、税理士として一生懸命作り上げた「決算書」や「試算表」など、
まったく興味がない方が・・・。(なんかグチになってきたような・・・)
こういう方に、税金や経営をあれこれ伝授するのは至難の業です。
「数字なんか信用しない。信じるのは自分の腕だ・・・。」
よくそう言われます。
職人さんだけでなく、板前さんなんかもそういう方が多いです。
「オレのやり方に間違いはない。信じるのはオレの舌だ・・・。」
普通のサービス業の社長さんでもたまにいますね。
いっそ数字がキライな方といった方がよいのか・・・。
でもちょっと待ってください。
会社にとってやはり大事な場面もあるのです。
「今の資金繰りは・・・。」というような具合で、必死に説得することもあります。
一澤帆布の社長さんは多分、そんな数字に興味のない方なのでしょうか。
(想像です。間違っていたらスイマセン。)
でも再三申し上げるように、時には専門家がキチンと説得する場面も
多分必要だったのでしょう。
特にこれからご説明していく相続のお話は、(なかなか説明しないけど・・)
やはり素人の方には分かりえないお話なのです。
自分の目の届くところで経営するために、「一社に集中して経営する」ことは
経営学の観点から正しいとは思います。
でもその会社が利益を連続して出し続けたら、一方で相続の観点から考えたら、
その会社の価値(株価)がとんでもなく上がってしまうということも
時には説明してあげるべきだったのでしょう。
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