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2008年10月15日 (水)

かばんの真実 その23

一澤帆布の経営哲学は非常に参考になるものの、
一応専門家として、ここらで大変僭越ながら「突っ込み」も入れておきましょう。

このような職人気質というか、売上や利益にまったく無頓着な経営者の方には
仕事柄よくお会いします。
例えば、税理士として一生懸命作り上げた「決算書」や「試算表」など、
まったく興味がない方が・・・。(なんかグチになってきたような・・・)

こういう方に、税金や経営をあれこれ伝授するのは至難の業です。
「数字なんか信用しない。信じるのは自分の腕だ・・・。」
よくそう言われます。
職人さんだけでなく、板前さんなんかもそういう方が多いです。
「オレのやり方に間違いはない。信じるのはオレの舌だ・・・。」
普通のサービス業の社長さんでもたまにいますね。
いっそ数字がキライな方といった方がよいのか・・・。

でもちょっと待ってください。
会社にとってやはり大事な場面もあるのです。
「今の資金繰りは・・・。」というような具合で、必死に説得することもあります。

一澤帆布の社長さんは多分、そんな数字に興味のない方なのでしょうか。
(想像です。間違っていたらスイマセン。)

でも再三申し上げるように、時には専門家がキチンと説得する場面も
多分必要だったのでしょう。
特にこれからご説明していく相続のお話は、(なかなか説明しないけど・・)
やはり素人の方には分かりえないお話なのです。

自分の目の届くところで経営するために、「一社に集中して経営する」ことは
経営学の観点から正しいとは思います。
でもその会社が利益を連続して出し続けたら、一方で相続の観点から考えたら、
その会社の価値(株価)がとんでもなく上がってしまうということも
時には説明してあげるべきだったのでしょう。

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