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2008年10月 8日 (水)

かばんの真実 その21

次にものを売る方にとって、非常に参考になるお話を。
価格設定のお話です。
価格をみてみると、
人気のトートバックで10,500円、ショルダーバックで13,650円です。
ファッションにあまり詳しくない私でも、若干高いのではないかと思います。

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でも社長さんはこう豪語されます。
「使っていて値打ちがなかったと言われたことは一度もない。」
つまり、「値段」ではなくまさに「値打ち」にこだわっているのでしょう。
この「値打ち」こそ、この「京都商法」の秘密があるのではないかと思います。
これも、製造直売だからできることなのです。

もし、これが製造だけしかやらない会社だったら、
多分、卸会社から「高くて売れないので安くしろ。」と必ずいってくると
思います。
それを社長は絶対に言われたくないのです。
デパートに卸さないのはそのためなのでしょう。
デパートに卸すとなると、実際には卸値をかなりたたかれることなります。
デパートとしてみれば「天下の〇〇屋で売らせてあげるのだから、安く卸せ。」
と必ずいってくるはずです。
そうなると1万円で売るものの原価を、例えば3000円くらいに抑えなければ
利益が出てこないということになります。
デパートに限らず、通常の卸売りをするとなると流通コストやマージンが
入ってくるので一般的にはそうなるはずです。

よって、もしデパートに卸すようなことをすると、
見栄えだけ似たような帆布にして、糸も2回縫うところを1回にするとか、
経費の削減を図るために、どこかに手を抜かざるをえなくなるから
そんなことは絶対にやりたくないわけです。

代々守り続けてきた一澤帆布の丁寧な仕事をし続けるには、
それなりの製造コストを維持する必要があるのです。
だからこそ、価格設定を自由にできる製造直売にこだわっているのです。

非常に参考になるお話です。お分かりになっていただけますか。

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