かばんの真実 その21
次にものを売る方にとって、非常に参考になるお話を。
価格設定のお話です。
価格をみてみると、
人気のトートバックで10,500円、ショルダーバックで13,650円です。
ファッションにあまり詳しくない私でも、若干高いのではないかと思います。
でも社長さんはこう豪語されます。
「使っていて値打ちがなかったと言われたことは一度もない。」
つまり、「値段」ではなくまさに「値打ち」にこだわっているのでしょう。
この「値打ち」こそ、この「京都商法」の秘密があるのではないかと思います。
これも、製造直売だからできることなのです。
もし、これが製造だけしかやらない会社だったら、
多分、卸会社から「高くて売れないので安くしろ。」と必ずいってくると
思います。
それを社長は絶対に言われたくないのです。
デパートに卸さないのはそのためなのでしょう。
デパートに卸すとなると、実際には卸値をかなりたたかれることなります。
デパートとしてみれば「天下の〇〇屋で売らせてあげるのだから、安く卸せ。」
と必ずいってくるはずです。
そうなると1万円で売るものの原価を、例えば3000円くらいに抑えなければ
利益が出てこないということになります。
デパートに限らず、通常の卸売りをするとなると流通コストやマージンが
入ってくるので一般的にはそうなるはずです。
よって、もしデパートに卸すようなことをすると、
見栄えだけ似たような帆布にして、糸も2回縫うところを1回にするとか、
経費の削減を図るために、どこかに手を抜かざるをえなくなるから
そんなことは絶対にやりたくないわけです。
代々守り続けてきた一澤帆布の丁寧な仕事をし続けるには、
それなりの製造コストを維持する必要があるのです。
だからこそ、価格設定を自由にできる製造直売にこだわっているのです。
非常に参考になるお話です。お分かりになっていただけますか。
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