かばんの真実 その17
明治の創業以来、一澤帆布の代々の当主は、
「とにかく丈夫で長持ちする商品を作ること。」
に徹底的にこだわってきたようです。
例えば、手で持つ柄の部分の縫い合わせに関していえば、
普通布製のバックならこのあたりから痛んでくると思いますね。
それで、通常2本縫えば十分なところを、わざわざ3本の糸で縫っています。
しかも、糸の結び目に関して、ミシンの返し縫い(こっちの方が簡単でしょう。)
では目が汚くなり、また使っていて擦り切れやすくなるというので、
わざわざ手で結んで、小槌や金槌で叩いて、さらに接着材で
止める処理までしています・・・。
もう参りましたね。そこまで丁寧な仕事をしているのです。
しかも、その仕事を支えているのが一澤帆布の職人達でした。
4代目が引き継いだときは10人程度だったのが、
20数年経って70人ほどの大所帯になっていました。
しかも全員が正社員。アルバイトもいません。
ましてや派遣社員などもいないのです。
これも、「偽装派遣でものを作っている」どこかのメーカーの社長さんに
お伝えしたいお話ですね
社長とこの職人達との絆もかなり深かったようです。
社長が解任された時、前にご説明した生地卸会社と同様、
70数名の社員も全員残らず辞め、社長についていってしまいます・・・。
(この解任のお話もそのうちに・・・)
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