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2008年10月 1日 (水)

かばんの真実 その16

これに対して、この4代目の社長さんの取った行動はすばらしいです。
生地卸会社との強力な関係を築き上げていきます。
あるメーカーに5段階もある厚みの布のすべてを糸から選別して織らせ、
一澤帆布の専用使用にして、しかも色も独自の色に染めさせてもいます。

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写真は現在の信三郎帆布のHPからですが、
こんなにキレイでカワイイカバンも作っているのです。
これ以上の開発のお話は企業秘密だと思いますが、
この開発に相当努力されたのだと思います。

その結果、生地卸会社との絆はそうとう深くなったのだろうと想像がつきます。
その理由は、その後4代目は相続問題でなんと解任されてしまうのですが、
その生地卸会社も、この4代目についていってしまうくらい
かなり密接な関係だったからです。
(この解任のお話はあとでご説明します。)

これでは同業他社が太刀打ちできないというのも納得できるでしょう。
服飾メーカーが、同じような製品をつくることが過去何度か
あったらしいですが、この良質な材料が確保できないということと、
次にご説明する職人の技能という
圧倒的な二つの参入障壁により、
結局は2、3年で消えていったということです。

そこまで天然素材にこだわったことで、さらに顧客のこころをつかんでいきます。
化学繊維全盛のこの現代に、天然繊維の帆布を素材にしていることで、
まず目新しいということがいえますが、実際に使っているうちに柔らかくなり、
馴染んでくる点など、化学繊維にはない天然繊維自体の風合い
楽しむことができるのです。
そういったことで新たなファンを開拓していったのだと思います。

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