かばんの真実 その5
お待たせしました。
さあここで相続人登場です!
三代目信夫氏には男の子が三人いました。
話を終戦直後まで戻しますが、信夫氏が戦地から帰りカバン作りを再開したころ、
長男信太郎氏が生まれました。
ここで、昭和20年生まれということが大事なところです。
戦前は、今と違って、「家制度」というものがあり、戸主の地位は、
戸主の財産権とともに「家督相続」という制度により、承継されていました。
要するに原則長男がすべての財産と地位を引き継ぐのですね。
今の相続とはまったく違います。
制度がなくなった今でも「本家」とか「分家」という言葉をよく聞きますね。
この制度が、昭和22年日本国憲法の施行と共に廃止されるのですが、
当然長男は、四代目=跡継ぎ ということで親族や周りの職人から
言われ育ったはずです。
また本人もそう思って育ったかもしれません。
一般論ですが、今でも 長男=跡継ぎ という考えは根強く残っていますね。
そのあたりから、この一澤帆布問題はスタートしていると私は思うのです。
本人も「家督」は長男が継ぐものと思っていたと後日述べています。
さあ、「事業相続」と「家督相続」。
このあたりがキーワードです!
« かばんの真実 その4 | トップページ | かばんの真実 その6 »
コメント