かばんの真実 その3
二代目一澤常次郎氏から帆布を本格的に作り始めました。
主に牛乳屋や大工、植木屋などの職人用のかばんを手がけ、
戦後にはリュックサックや学童用のランドセルなども作り出しました。
帆布(キャンパス地)とは綿や麻で織られた厚手の織物です。
それを職人さんが手作りで一つ一つ丁寧に作り上げていきます。
しかも製造直売で対面販売し、購入したお客さんの要望を聞きながら、
さらに改良も加えていっています。
これはなんと!牛乳屋配達用に考案された「牛乳袋」です。
底が丸くこれで牛乳瓶が20本も入るように考えられています。
しかも、自転車のハンドルに引っ掛けて運ぶので、
側面を二重の布で補強もしてありますし、
持ち手はわざとロープにしています。
さらに牛乳瓶が割れた時(!)のために穴まであけています。
このようにお客さんの要望に一つ一つ親切に応えていますし、
本当に職人さんの愛情が感じられる作品です。
この牛乳袋一つ見ただけで、職人さんの心意気を感じるところですし、
一澤帆布の実に親切な仕事ぶりもよく分かります。
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