かばんの真実 その13
「一澤帆布は相続問題で有名になって、
結果的にカバンが売れるようになった・・・。」
そんなお話を相続のセミナーで弁護士さんから聞いたことがあります。
それは、まったくの誤解だと思うのです。多分一澤帆布をよくご存じない
のでしょう。
そういう先生は、きっとカバンを見たことも買ったこともないのでしょう。
確かに、最近相続のお話でマスコミに頻繁に登場して、名前がかなり知れ渡りました。
でも、これだけ人気になったのは、
やはり老舗としての「ものづくり」の姿勢が
高く評価されてきたからだと思うのです。
この有名なラベル一つとってもそうです。
漢字で書いてありますし、住所まで書いています。
このラベルが初めてできた20数年前なら、
普通はローマ字で「ICHIZAWA」のようにつけたと思うのです。
それをあえて漢字にした。「一澤」というのもいい響きです。
これが「木村」とか「山本」のような、それこそ「吉田」のような「陳腐な」
名前だったらどうだったでしょうか。
住所が書いてある理由。何だかお分かりになりますか。
「この住所に来て頂いたら修理します」という製造責任をうたっているのです。
保証期間が一年と決まっている訳ではないのですが、
もし使って1年も経っていないのに具合が悪くなったりしたら、
たいてい無料で修理するか、新品を送ってくれるそうです。
往復の送料も負担してくれます・・・。
こんな会社は本当に少ないと思うのです。
自分の製品に対するゆるぎない自信の表れなのでしょう。
最近の「偽装してまで売ってしまう」社長さんたちにお伝えしたいお話です。
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